≫ EDIT
2008.03.20 Thu
■書斎ネコシリーズ8 「嫁公認!? GAKUの日帰り浮気ツアー(1)」(初出2008年3月20日)
「じゃ、ちょっと浮気しにいってくるよ」、「夕ご飯までには、帰ってくるの?」、「いやそれは分からない。相手次第さ」というやり取りの後、朝からてきぱきと身支度を整えた僕は、いそいそと家を後にする。
我が家ではこういう会話が普通にまかり通る。世の旦那衆は「なんとうらやましい。嫁公認で浮気ができるとは?」と思われたかもしれない。でも、我が家の場合、浮気とは、他の猫と遊ぶことを言うのだ。だから、嫁も怒らないし、僕自身こそこそ隠し立てする必要もない。ちょぴり我が家の愛猫「くーにゃん」と「こもも」には後ろめたさをかんじるけれど・・・。
で、僕が今回の浮気相手に選んだのが、和歌山電鉄・貴志川線・貴志駅の名物駅長「たま」。「たま」はもともと無人駅だった貴志駅に隣接した売店の飼い猫。当事、乗降客の少なさから廃線が危ぶまれていた貴志川線の救世主として、日本初の猫の駅長に任命された。これは、ただ単なるお遊び的な任命ではなく、猫好きな和歌山電鉄社長から列記とした任命状を送られている正真正銘の駅長なのだ。
就任以降、テレビのニュースや写真集の発売などから、人気に火がつき、「たま」見たさにそれまでの乗降客をはるかにしのぐ人々が訪れるようになった。現在はその功績を認められ今年からスーパー駅長に昇格するほどの活躍ぶりだ。
JR和歌山駅で乗り換えて、和歌山電鉄・貴志川線に乗り換える。そこから25分ほど二両編成のローカル線に揺られると終着点の貴志駅に到着する。ちょうど僕が訪れた時は、イチゴ狩りシーズンで、子供達が大はしゃぎしそうなイチゴモチーフをところどころにあしらったイチゴ電車が運行。この線が廃線間近だったことを疑うほどの盛況ぶりだったのである。また、社内に木のおもちゃを展示し、木馬のおもちゃをイメージしたシートなど、ユニークな内装のおもちゃ電車も子供達の人気の的だそうだ。
春の陽気と木漏れ日が社内に降り注ぐ中、僕は終点・貴志駅に到着。無人の改札を出るとこれが無人駅?と疑うほどの人だかりが駅前に出来ていた。その中心にスーパー駅長「たま」と助役の「みーこ」、同じく助役の「ちび」がやわらかな春の日差しを浴びて、心地よさそうに眠っているのが見えた。
・・・つづく
関西在住ライター「GAKU 」お仕事のご依頼を待ってます。BY 文士舎
関西>大阪>ライター>コピーライター>フリーライター>編集>WEBライター>北川 学>文士舎
| ◎私的エッセイ「書斎ネコシリーズ」
| 10:19
| comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2007.10.09 Tue
■書斎ネコシリーズ7 「大人の階段を駆け上る!? 書斎ネコこももの成長力」(初出2007年10月9日)
三代目書斎ネコみならい「こもも」が我が家に来て約三ヶ月。早いもので、来週避妊手術をすることになった。ペットショップで生後4ヶ月という人間社会ではもはや行き遅れの娘のようなお荷物的扱いを受けていた頃の体重1.2キロと比べて、今や2.6キロという体格的には堂々たる成長を遂げた「こもも」。実は身体的な成長とともに、先週から発情モードになってしまうほど精神的にも急速に大人びてしまったのである。
もう少し子供の「こもも」を見ていたいという思いが僕と妻としてはあるものの、動物の時間の概念というか、成長の時間軸はどうしょうもない。
そうして発情してからというもの「こもも」と二代目書斎ネコ「くーにゃん」の間に変な関係が生まれている。生まれて初めて発情なるものを経験する「こもも」が、本能の奥底から湧き上がる感情と体の疼きを抑えられず、なぜか同じメスである「くーにゃん」に求愛のポーズをとってしまうのである。
「こもも」は、「くーにゃん」にお尻を向け、「うにゃ〜ん」とオスを誘うような色っぽい声で鳴く。さすがに「くーにゃん」もいつもの暴れん坊「こもも」とは、雰囲気が違うと見て取ったのか、どう対応していいのか苦労しているのだ。その困った「くーにゃん」がまた可愛い。さしずめ気分は、ニューハーフに言いよられる男性か、おなべに愛を語られる女性といったところだろうか。
後、一週間は二匹の奇妙な関係は続く。そして手術を終えて帰ってくる「こもも」は果たしてどう変化するのか。できれば、落ち着いて「くーにゃん」とおとなしく一緒に猫団子になって眠るような、そんな風になってくれれば、我が家ももう少し静かになるのだが。
しかしながら、発情のため、こころなしかしぐさや目が艶やかで色っぽい「こもも」。恋をすると女性は美しくなるというが、「こもも」の美猫ぶりに磨きがかかることも、実はこっそり、期待して止まない僕なのである。
関西在住ライター「GAKU 」お仕事のご依頼を待ってます。BY 文士舎
関西>大阪>ライター>コピーライター>フリーライター>編集>WEBライター>北川 学>文士舎
| ◎私的エッセイ「書斎ネコシリーズ」
| 22:26
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2007.10.02 Tue
■書斎ネコシリーズ6 「猫たちの課外授業〜GAKU、中国4000年の歴史を学ぶ〜」」(初出2007年10月2日)
「呉越同舟」という中国の故事がある。意味するところは、互いに仲の悪い者同士が、共通の敵、目標に対して立ち向かう際には、一致団結して見方にもなるというもの。これは、今から二千数百年前の中国の春秋戦国時代に「呉(ご)」と「越(えつ)」という敵対関係にある国が、新たに現れた「楚(そ)」という強国に立ち向かうために、同じ舟に乗って戦ったということに由来している。中学の漢文や歴史などで習う言葉なので、知っている人も多いことだろう。
我が家でもこれに近い関係が生まれている。言わずと知れた二代目書斎ネコ「くーにゃん」と書斎ネコみならい「こもも」の二匹の間でである。普段、顔を合わせれば喧嘩ばかりしている二匹のにゃんこが、共通の敵もしくは、目標としているもの。それはご飯だ。そして彼らの最終目標は、ご飯を用意する役である僕を陥落させることにある。
特に朝ご飯催促に関しては、見事な連携を見せる。猫たちの朝は早い、早朝5時ごろから目を覚まし、活動を開始する彼らにとって、起きた瞬間から即、食事を手に入れようとするのは、本能みたいなものである。そこで、被害者となるのが主人の僕というわけだ。
チームプレイの参謀役として「こもも」をうまく誘導しているのが「くーにゃん」。巧みな采配は、天才軍師もかくやというほどだ。その策略は、まず「くーにゃん」が僕の枕元に座り、「こもも」を挑発することから始まる。そこに、何をおいてもとりあえず突撃!が身上の「こもも」が足元から僕の顔に向けて突進をかけてくる。「くーにゃん」はそれをひらりと交わし、こんどは足元側へ。頭の悪い「こもも」は、何も考えることなく、ベッドという戦場を前に、後ろにと駆け巡るのであった。年を取り体力の落ちた老猫「くーにゃん」は知恵を使い、若く体力と瞬発力だけが取り柄の子猫「こもも」は、体を使う。それぞれの特徴を見事に発揮した戦略を前に僕は成すすべがない。これは今更ながら中国の兵法書「孫子」でも読んでみるかと思わずにはいられないほど、巧みなのである。
こんな風に僕は、毎朝目覚まし時計もならないうちから叩き起こされ、にゃんこたちの朝ごはんの用意に借り出されるのであった。
図らずも中学時代の漢文で習った「呉越同舟」という故事を僕は、にゃんこたちに身を持って毎朝教えられているのである。ただし睡眠不足という被害を被りながら・・・。
関西在住ライター「GAKU 」お仕事のご依頼を待ってます。BY 文士舎
関西>大阪>ライター>コピーライター>フリーライター>編集>WEBライター>北川 学>文士舎
| ◎私的エッセイ「書斎ネコシリーズ」
| 11:49
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2007.09.29 Sat
■書斎ネコシリーズ5 「歯がゆい思いvs歯がゆいこもも」(初出2007年9月29日)
子供のころ迷信か何かで、歯が抜けた時、下の歯は屋根上に放り投げ、上の歯は地面に埋めなければならないというものがあった。そうしないとちゃんと真っ直ぐ歯が生えてこないという。本当かどうかはよく分からないが、まだ幼い僕は、歯が抜けるたびに忠実にそれを実行していたのだ。ただ、何かのテレビで炭酸飲料ばかり飲んでいると歯が溶けるいう事が取り沙汰されて、一度だけコーラの中に抜けた歯を放り込んで溶けるかどうか実験してみたりもしたが、それ以外は迷信をかたくなに守ったものだ。
そんな子供のころの思い出に浸りながら、我が家の書斎ネコみならい「こもも」の抜け落ちた乳歯をしげしげと眺めている僕の傍らで、妻がぷんぷんと憤慨している。無理もない。彼女は先週パソコンのマウスのコードを噛み切られ、新しく買ってきたマウスのコードをまたも昨日「こもも」に噛み千切られたからだった。しかも妻にとっては小憎らしい「こもも」の乳歯を見つけて「なあ、こももの抜けた歯って下の歯だから上に投げたらいいのかな? でも、我が家はマンションの10階だから、ここに保存しておくのがいいのかな」などとのん気に僕が聞くものだから、余計に怒りの炎に油を注いでしまった。
それから小一時間ばかり、僕と「こもも」は、妻から、厳しいお説教を受けることになってしまったのである。しまいには、二代目書斎ネコ「くーにゃん」も躾がなっていないだの、「くーにゃん」の肥満も何とかしなさい等々、色々なところに怒りの炎は飛び火していく始末・・・。
しかし当の本人、いや本猫は、そんなお小言は意にも介さず、僕の手や服を噛み噛みしていたかと思うとそのまま眠ってしまった。そのあどけない顔を見て、さすがにこれには妻も呆れたのか、それとも馬の耳に念仏ならぬ、猫の耳にお説教と悟ったのか、台所へひっこんでしまった。その数分後、小さな空き瓶を持ってきて、「ここに歯入れといたら!」と僕に言うのである。こうして「こもも」の乳歯はしっかり保存されることとなった。迷信の威力か、「こもも」の魅力が勝ったのかは、分からないが・・・。
とはいえ、後残り3本の乳歯が抜けるまで、気が抜けない。特にこの時期の猫は、歯がむずがゆいため噛み癖がひどくなるというから、「第三、第四の被害が出るだろうけど? これも猫の本能だから怒るに怒れない」と我等夫婦は、今から歯がゆい思いで「こもも」を見守っていかねばならないのである。
関西在住ライター「GAKU 」お仕事のご依頼を待ってます。BY 文士舎
関西>大阪>ライター>コピーライター>フリーライター>編集>WEBライター>北川 学>文士舎
| ◎私的エッセイ「書斎ネコシリーズ」
| 12:46
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2007.09.28 Fri
■書斎ネコシリーズ4 「GAKUと、こももと、くーにゃんと。愛憎渦巻く、書斎ネコの三角関係 」(初出2007年9月28日)
人間社会においても三角関係というものは、やっかいなものである。その渦中にある男は、自分の周りで繰り広げられる女たちの熾烈な愛憎劇にやきもきしながらも、成り行きを見守るしかないというのが現状だ。そんな状況が我が家でも起こりつつある。といってもこれは人間界の話ではなくて、猫たちの間でだ。
主人である「GAKU」、二代目書斎猫「くーにゃん」、書斎ネコみならい「こもも」。男一人を巡る女二匹の愛情の奪い合いは、日々激しさを増している。特に「こもも」の嫉妬は凄まじい。例えば僕が「くーにゃん」を撫でたり、抱いたりして可愛がっていると、必ずといってよいほど攻撃を仕掛けてくる。もともと仲の悪い二匹だから、その攻撃は手加減がない。そういう時、僕はおろおろしながら、二匹が怪我をしないように引き離し、その後それぞれに均等に甘えさせてあげるのだ。
もちろん「くーにゃん」も負けてはいない。僕が仕事の締め切りが迫り原稿書きに集中したいため、こももを閉じ込めていると、この時を逃さずとばかりに「くーにゃん」は擦り寄ってきて僕の横で咽をごろごろ鳴らしながら、愛らしさをアピールする。当然これも仕事に影響が出る。他にも相手の隙をついて、ご飯の奪い合いやトイレを汚しあうなど、結構陰湿な戦いも裏では繰り広げられているのだ。
若さゆえの感情に任せて激情的に行動する「こもも」と、大人の熟女のようなしたたかさでひそやかに男をくどきおとす「くーにゃん」。
恥ずかしながら、これまで二股を掛けるという大それたことをした経験のない僕にとっては、どうやってこの問題を解決したらよいか分からない。お互いを引き離して閉じ込めれば鳴きわめき、かといって二人きりにするとけんかをする。色々な手を試してはいるもののまだまだ有効的な手立てを見出せない状態なのだ。
「こもも」を迎えれようとした当初、思い描いていたのは、おばあちゃん猫である「くーにゃん」が、母性本能を発揮して子猫のこももをかいがいしく面倒を見るというものだった。だが現実はその逆で、親子関係ではなく女同士の争い。いつの時代も、三角関係で苦しむのはその真ん中にいる人間。それもただただ、決着がつくのを待つだけ。時が問題が解決してくれる。そう信じて僕は、ただひたすら耐え忍ぶしかないのであった。
ああ、でも原稿書きが一向に進まないのも事実なのである・・・。
関西在住ライター「GAKU 」お仕事のご依頼を待ってます。BY 文士舎
関西>大阪>ライター>コピーライター>フリーライター>編集>WEBライター>北川 学>文士舎
| ◎私的エッセイ「書斎ネコシリーズ」
| 11:52
| comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑